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記憶

『ハムレット』

 

ハムレット (岩波文庫)

ハムレット (岩波文庫)

 

 

あらすじ
 
デンマーク王(ハムレットの父)がクローディアス(王の弟)に殺され、クローディアスは王位につき、すぐさま王妃ガートルードと結婚する。ハムレットは父の死の真相を父の亡霊から伝えられ、復讐を誓う。その後はハムレットとクローディアス陣営の駆け引きが展開される(途中で、ポローニアス、オフィーリア、ローゼンクランツ、ギルデンスターンは死ぬ)。最終的にはガートルード、グローディアス、ハムレット全員が死ぬ。
 
メモ(注釈等も含めて)
 
第1幕
・本質類比(アナロギア・エンティス)
・「雑草」→性欲とか人間の諸欲求、"自然"の混沌ってイメージ。シェイクスピア固定観念
・第1独白→父と愛し合っていた母が、父の死後すぐに叔父と結婚してしまったことへの嘆き。
・第2独白→父の亡霊の話聞いた後の感情の吐露。
・亡霊にはラテン語が効くって信じられていた
・スコットの『魔術の暴露』に三度誓った約束。破れば永劫の刑罰が課せられると書かれているらしい。
 
第2幕
・運命の女神→娼婦に例えられた
・三一致の原則→アリストテレスの『詩学』で説かれて以来、演劇は1つの筋が、1つの場所で、1日のうちに展開し終わるものでなければならない。
・第3独白→人殺しは度胸なくてできないから演劇の力で叔父に白状させようと決意。
 
第3幕
 
・第4独白→「生きるか、死ぬか(To be, or not to be)」のやつ。生きることの苦しさ、実存への不安を語る。
・エリザベス時代、人は化粧に否定的だった→見かけと実質の分離
・女性の容姿の美しさと貞潔は両立しないというのが当時の諺的通念だった。
・エリザベス時代、友情を異性愛よりも重要視する(←ルネサンスプラトニズムの復興期だった)
・第5独白→妃に呼ばれたけどそれを断った後。母に対してたとえ言葉の上で辛辣になろうと、心は情愛を保ったままでいようという自戒。
・第6独白→クローディアスの祈祷中、暗殺するか否か逡巡する場面。クローディアスに向けられた辛辣で残酷な言葉が並べられる。
・大宇宙と小宇宙(人間界)の体系構造は本質的に類似し、照応しているというのが中世・ルネサンスの宇宙観
・形容詞"rank"(悪臭を放つ)→ハムレットが第一独白以降頻繁に用いるキーターム。
 
第4幕
 
・第7独白→グローディアスを殺さない自分の臆病さに苛立つシーン。
・「鋭敏にして細心、細心にして周到な知恵とは、高貴な行動の不倶戴天の敵である」(モンテーニュ『随想録』1巻23章)
・『ハムレット』、病の隠喩が多く使われている。
 
第5幕
 
・人生の時間についてのこと→『随想録』第1巻19章
 
解説
 
シェイクスピアの作品、悲劇喜劇をとわず、種本がある。『ハムレット』種本は『デンマーク史話』。当時は、個性、独創性といった観念はなかった。
復讐劇の主人公、狂気を装うのが通例。

『睡眠こそ最高の解決策である』

 

睡眠こそ最強の解決策である

睡眠こそ最強の解決策である

 

 とにかく寝ないことはやばいっていってた。

最後の方にちょこっとよく眠るためのtipsがあった。

メモ

・アデノシンが増えれば眠くなって、睡眠によってアデノシンは減少

 

認知行動療法(CBT-I)

1. 起床と就寝の時間を一定にする

2. 眠くなったら布団に入る

3. 眠れなかったら布団から出て眠気が来るのを待つ

4. 夜ねれないなら昼寝を控える

5. 就寝前に心を落ち着けて不安を布団に持ち込まない

6. 時計を見えない位置に置く

 

カフェイン控える、寝室にデジタル機器持ち込まない、寝室を涼しく保つ(18度くらい)

 

・布団の中で過ごす時間を制限する(アデノシン増やして睡眠圧をあげる、結構効果高い)

 

付録(睡眠のための12のアドバイス)

1. いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きる

2. 寝る前に運動しない

3. カフェインとニコチンを摂取しない

4. 寝る前にアルコールを摂取しない

5. 夜遅い時間に大量に飲食しない

6. 睡眠を妨げる薬を飲まない

7. 午後3時を過ぎたら昼寝をしない

8. 寝る前にリラックスする

9. 寝る前にお風呂に浸かる(風呂から出たあとに中核温が下がって寝やすくなる)

10. 寝室を暗く涼しくする、寝室にデジタル機器を持ち込まない

11. 日中に太陽の光を浴びる(30分以上)

12. 眠れないままずっと布団の中にいない

 

『怒りのセルフコントロール』

 

怒りのセルフコントロール

怒りのセルフコントロール

 
第2章までは怒ること、敵対性が高いこと(本書の用語で言えば高Hoがどれほど健康にとって悪いことなのかをエビデンスを提示しながら示している。
 
第3章以下は怒りに対処する様々な方法の紹介
 
怒りを捨てる方法
 
1 自己説得法
怒る価値があるか→正当な理由があるか(客観的な事実を枚挙して判断)→効果的に対処できるか
これをやってまだ怒りが残ってれば他の方法へ移行
 
2 ストップ法
怒りを感じたらストップと言う(感情的な自己を理性的な自己で見つめ直す)
認知行動変容技法、思考停止
 
3 紛らわせ法
人間は同時に2つのことに集中できない。怒りを感じて、怒りのロードマップで対処しきれないとき、これ使う。何か別のことに集中する。
 
4 瞑想法
 
5 節制法
カフェインとかなるべく摂取しないようにする。定期的に運動する。
 
然るべき時に適切に怒る方法
 
6 主張法
自分の考えを主張するに際しては、相手を刺激しないことが大事。
共感を示してあげるとか。
 
他人との関係を良くする
 
7 ペット法
 
8 傾聴法
 
9 信頼法
 
10 社会奉仕法
 
11 共感法
相手の行動を好意的に解釈
 
12 寛容法
自分の怒りが正当だと感じても、その「間違った行動」が相手の立場からみて合理的かを考え直す。
 
13 許容法
 
14 親友法
 
肯定的な生き方をする方法
 
15 ユーモア法
 
16 宗教法
 
17 最後の日法
 
第4章 敵対的人間と付き合う
 

『「ゆとり」批判はどうつくられたのか』

 

「ゆとり」批判はどうつくられたのか: 世代論を解きほぐす

「ゆとり」批判はどうつくられたのか: 世代論を解きほぐす

 

 

●目的
ゆとり世代」の呼称が次世代バッシングになりかねないと考えた上で、「ゆとり世代」、「ゆとり教育」の位置付けや妥当性を再検討する。
●構成
第1章 「ゆとり」の特徴、歴史
第2章 「ゆとり批判」の政治性
第3,4章 「ゆとり世代」の語源「ゆとり教育」について検討。1998年改訂の学習指導要領は学力低下を本当に招いたのか。「世代フリー」概念の提起。
PISA(the Program for International Student Assesment)→学習到達度調査
 

第1章 朝日新聞にみる「ゆとり」言説の変遷

 
この章のメインメッセージは、「ゆとり」という言葉の使われ方は、年代によって変化がみられ明確に定義できるものではなく、現在のネガティブな意味合いは、ある種乱暴で内実を伴わない否定的な使われ方が広まってしまったために誤って実体化してしまったものではないかてこと。
 
調査は朝日新聞の社説、記事をもとに行われている。(朝日新聞が世相を平たく反映しているのかは若干気になった。)
 
80sはポジティブに使われていた。教育においてのゆとりは、労働のあり方におけるそれと連動して論じられていた。
2002年以降には学力の低下や、競争力の低下といった論点が現れ始めた。しかし、学力の低下などは根拠が薄弱であり、おおよそそれらの批判的意見はストローマン論法といっても差し支えないものであった。
 
2012年実施のPISAでは学力の向上がみられ、それは「脱ゆとり」の成果であると報じられた。
1998年 小中学校学習指導要領改訂(いわゆる「ゆとり教育」)
1999年 高等学校学習指導要領改訂
2000年 第1回PISA
2002年 1998年改訂小中学校学習指導要領実施
2003年 1999年改訂高等学校学習指導要領実施、第2回PISA、小中学校学習指導要領一部改正「学習指導要領に示していない内容を加えて指導できる」(もしこれがゆとりの見直しならゆとりはほとんど存在しないことになる)
2004年 第2回PISAで「読解力」と「数学的リテラシー」で日本の国際順位が下がったことが報じられる。
2006年 第3回PISA
2008年 小中学校学習指導要領改訂(いわゆる「脱ゆとり」へのシフトとされる)
2009年 高等学校学習指導要領改訂、小中学校で08年改訂の学習指導要領一部先行実施、第4回PISA
2011年 小学校で08年改訂学習指導要領完全実施
2012年 中学校で08年改訂学習指導要領完全実施、高等学校で09年改訂の学習指導要領一部先行実施、第5回PISA
2013年 高等学校で09年改訂学習指導要領完全実施
2015年 第6回PISA
 
そもそも「ゆとり」が何を指すのか。2002年以前の改訂にもその端緒がみられるという見方もあるし、2008年の改訂も2002年の改訂と共通点を持っているし、まるでスパンが不明瞭。
そして、2012年のPISAの対象となったのは1996年生まれの高校生で、バリバリゆとり教育受けてる。それで学力向上がみられたならむしろゆとりのおかげじゃないって話。
 
疑問点
学力の向上に寄与する要因が学校の指導だけなのか、生徒が通う塾の事情とかってどうなのか。
 

第2章 「ゆとり」批判の政治性

 
「さとり世代」の登場。やや、ポジティブな意味合いが含まれているものの依然として世代批判の呼称として使われていることには変わりない。
 
世代の特徴を時代の特徴と捉える動きが登場し始める。
 
先行世代は後続世代をネーミングしてバッシングし、旧来の慣習の優位性を主張し、自らが社会的に生きながらえる根拠を確保する。
 
ただ、ゆとり批判は「ゆとり教育を受けた」という、事実としてポジティブな側面が見出せない現象に根拠が置かれたことに特異性がある。
 
経験主義と系統主義
経験主義→子どもたちの自発性を重視した問題解決型の学び
系統主義→知識重視の教育
ただし、両者は厳密に区別されるものではない。
 
ゆとり教育も経験主義と系統主義の揺れ動きの中での一場面にすぎないのではないか。
 
系統主義においては、知識をある種体系化されたもの、確定的なものとして提供する。知識は序列づけられる。そして、そこにおいて教育提供の主体としての「国家」が存在感を増す傾向が指摘される。
 
教育の内容は時々の社会の状況に応じて変化し、またある時期の教育を受けた人たちがつぎの社会のスタンダードを支えていく、というように社会と教育は相互反映的な関係にある。
 

第3章 教育施策のコンセプトを読む

 
89年の学習指導要領は「新学力観」(自主性、思考力、判断力、表現力などを基本学力とする)のもと構想された。
 
98年あたりからゆとりがネガティヴな意味合いで使われ始めた。
 
98年の学習指導要領は「生きる力」と「新学力観」が軸。
 
で、そのもとになった96年の中央審議会答申で、「生きる力」と「ゆとり」が結合されたこと、また教育におけるゆとり概念の理論化が政策レベルで十分でなかったことが「ゆとり世代」の造語を許した原因。
 

第4章 「ゆとり教育」の正体

 
PISA成績不振の理由→単に問題形式に慣れていなかったから。
 
ゆとり世代」といわれるところの性質、特質は果たしてその世代に特有のものなのか、それとも社会や時代全体がそのような傾向にあるのかを見極めなければならない。
 
「世代フリー」概念。世代に特有の特質を想定し、それを個人にあてはめようとしてもうまくいかない。
 

対談

 
「多文化リテラシー
分かり合おうって目標ではなく、分かり合えないことがあっても良い。
 
共生社会の構築に向けて

『情報生産者になる』

 

情報生産者になる (ちくま新書)

情報生産者になる (ちくま新書)

 

 

はじめに

 
情報ディレッタントになるのではなく、情報生産者になろう。
 

Ⅰ 情報生産の前に

 

1 情報とは何か

 
情報はノイズから生まれる
「自明性」「認知的不協和」「選択性難聴」
自明性、疎遠の領域を縮小し、「境界人(marginal man)」になることが大事。
 
エスノロジー」(by ハロルド・ガーフィンケル)→異文化を研究する人類学の手法を用いて、異文化の視点によって自文化を観察すること。
 
問いを立てるには、問いのスケールを決める。また、問いを立てる際には、オリジナリティと教養(すでにある知の集合)がポイントになる。
 

2 問いを立てる

 
not多義的
 
司会者の役割→噛み合う議論を誘導すること(質問に正しく答えているか)
 
●研究のプロセス
1 問いを立てる
2 先行研究を検討する(対象/方法、理論/実証)
3 対象を設定する
4 方法を採用する
5 理論仮説を立てる
6 作業仮説を立てる
7 データを収集する(一次情報/二次情報)
8 データを分析する
9 仮説を検証する(検証/反証)
10 モデルを構築する
11 発見と意義を主張する
12 限界と課題を自覚する
 
●上野ゼミの演習フロー
1 問いを立てる
2 研究計画書を書く
3 先行研究の批判的検討
4 データ収集:定性調査の技法
5 データ収集:定量調査の技法
6 目次を構成する
7 問題設定を書く
8 コンテンツを作る
10 改訂版を書く
11 口頭報告
12 研究論文を完成する
 
問いの適切なスケールを考える→小さな問いにブレイクダウン
 
自分の問いを自分がとく
 

Ⅱ 海図となる計画をつくる

 

3 先行研究を批判的に検討する

 
先行研究のフォローの仕方
・参考文献を芋づる式にたどる
・先行研究があまり無い分野であれば、関連しそうなキーワードで探す。(自衛隊と女性ならば、NATOと女性とか経営組織での女性とかいろんな角度から攻める)
 
膨大な情報があるが、大事なのは自分の問いを持って、自分の角度でそこに切り込むこと。そうして情報を選別していく。
 
どんなに偉大な人の論文でも、それはあくまでその人の立てた問い→必ず問いの残余はある。
 
「批判的」→そこにあるものではなく、そこにないものを見抜く力
 
●上野ゼミの文献購読フォーマット
担当テクスト:
報告者:
著者紹介:
1 主題
2 対象
3 方法
4 検証の妥当性/発見/意義と効果
5 方法の限界と問題点
6 その他のコメント
※以下の要領で作成
1 要約はしない
2 著者の略歴と紹介
3 本論の研究史上の位置
4 問いは何か
5 対象と方法は何か
6 発見の内容とその妥当性、意義は何か
7 分析の問題点、方法の限界、批判店は何か
8 論述、文体、表現は適切か
9 本論の発展および応用可能性はあるか
 

4 研究計画書

 
●研究計画書のフォーマット
1 研究テーマ
2 研究内容
3 理論仮説&作業仮説
4 研究対象
5 研究方法
6 先行研究および関連資料
7 研究用機材・研究費用
8 研究日程
9 本研究の意義
10 本研究の限界
 
3 仮説生成型(研究の過程で仮説が生まれる)もある。
10 限界→自分の研究方法だと理論的に不可能な領域
 
「時代区分」の仕方→年代でまとめちゃだめ。偶然でしかないから。→画期となる指標(epoch-making index)を用いる。例えば、その分野において転機となった事件、出来事とか。
 

5 研究計画書を書く(当事者研究版)

 
当事者研究版の研究計画書
1 (主題)どのようにこの研究を名付けるか
2 (研究の動機/獲得目標)なぜこの研究をするのか、この研究で何を獲得するのか
3 (ポジショナリティ)研究者としての私の立ち位置
4 (先行研究)クライム申し立ての宛て先は誰か
5 (理論枠組み)採用するアプローチ
6 (研究対象)何を対象とするのか
7 (研究方法)どんな方法でデータを収集するのか
8 (意義)この研究にはどんな意義があるのか
9 (限界)この研究にはどんな限界があるのか
10 (研究費用)この研究にはいくらかかるのか
11 (研究日程)この研究にはどれだけの期間がかかるのか
 
当事者研究→まさに自分が研究対象とする属性を有しているような研究
 
社会問題の構築主義→社会の不具合を原因として社会問題が起こるのではなく、社会問題たりうる現象を社会問題として人々が言い立てる行為(claim making activity)によって構築される。
 

パートⅢ 理論も方法も使い方次第

 

6 方法論とは何か

 
「理論」→現実を解釈するための道具
「概念」→現実を解釈するための装置
当然ある概念が不十分なものだったということもありうる。
 
メディアはクレイム申し立ての拡声器の役割を果たす。
 
概念には、それまでの概念では説明できない現象を説明可能にする認識利得がある。
概念には暗黙のうちに価値判断が含まれていることがある。(「孤独死」とか。「ゆとり」とかも入るのかな)
 
概念化されていなかった時代にはそもそも統計ないこともある。そういう場合に社会構築理論が有用。概念で示されるところのものそのものではなく、概念の使われ方の変遷を検証する。
 

7 対象と方法の選択

 
事例研究case study、エスノグラフィ、モノグラフ
ある特定の出来事や事例に着目して研究する。
 
自己言及性
観察対象に対する観察者の影響。これは排することができない。
逆にこの自己言及性に着目する研究もあったりするっぽい。(本書の例の暴走族のエスノグラフィのやつがそうかな)
 
対象は自分
 
データの収集→質的調査と量的調査
 
データの分析
 

Ⅳ 情報を収集し分析する

 

8 質的情報とは何か?

 
語、言説、物語
 
フーコーの言説分析discourse analysis
語られることのうちに因果関係が存在するのか。
 
「系譜学genealogy」
それまでの歴史学が、定向進化説、発展史観や目的論的な因果律のもとに成り立っているのに対し、系譜学はその必然性に疑念をなげかけ、歴史のifを問う。
 
情報を脱文脈化→再度文脈化
 

9 インタビューの仕方

 
調査対象とのラポールrapportの構築
 
インタビューのノウハウ
p.182-188
 

10 質的情報の分析とは何か?

 
話の流れの文脈から切り離し、情報を同じタイプごとにまとめ、各ユニットの論理関係(因果関係、対立関係、相関関係)を書き込む。
 

11 KJ法のその先へ

 
マトリックス分析→ケース分析とコード分析合わせたやつ。
 
特定の事例には登場するが、他の事例には登場しないコードが出てくる。
①一次情報の不足②論理的にありえない③論理的にありうるが経験的には登場しない
 
フーコー→言説空間の中で、特定の言説は生産されるが、そうでない言説は「論理的にありうるが登場しない」可能性を示唆。
 
マトリックス分析→データを構造的文脈において読み解くことを通じて解釈者の恣意性を排することができる。
 

Ⅳ アウトプットする

 

12 目次を書く

 
目次は大事。論文の構成を端的に示すものだから。
 

13 論文を書く

 
知っていることを全て書こうとしない。
 
自明だと思われる情報を省略しない。
 
概念や用語は定義して用いる。
 
一人称使う(らしい)
 
読者が誰かを考える。
 

14 コメント力をつける

 
コメントをつける能力は論文執筆の基礎になる。
 
コメントとは
①書き手の言いたいことに沿ってその意図がよりよく通じるように示唆を与え、②論旨の欠陥や議論の問題点を指摘し、③ありうる批判を予測して書き手にディフェンスのための知恵を授ける
 
内在的コメント(論者の主張に沿った上で、論旨の非一貫性や不徹底さ、その拡張や応用の可能性を示唆)と外在的コメント(ないものねだり)を区別する
外在的コメントでも、書き手が自覚していない限界や欠陥であれば役に立つ。
 
ディフェンス力をつけるには→内在的コメントと外在的コメントに腑分け。外在的コメントなら自分の問いではないと突っぱねる。
 
司会の役割
質問はありますかじゃなくて、これこれこういう順番で議論を進めていきます。
 

15 論文の書き方を学ぶ

 
松井さんという方の、上野ゼミのエッセンスを凝縮した論文執筆マニュアル
 

16 口頭報告をする

 
対面はやはり効果的。
 

17 メッセージを届ける

 
本にする。むずすぎるけど。
 

18 プロデューサーになる

 
読者ターゲットを明確に。「正統な読者legitimate reader」「非正統な読者illegiimate reader」
 
文体も想定読者に合わせて変えていく。

『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』

 

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

 
パート1 外向型が理想とされる社会
 
●第1章 "誰からも好かれる人"の隆盛
 
外向型がもてはやされるようになった経緯
 
●第2章 カリスマ的リーダーシップという神話
 
リーダーになるのは一見外向型の方が良さそうだが、内向型がリーダーになった方が成果出るっていう研究もある。
最近では内向型もSNSを通じて自己主張できる。
 
●第3章 共同作業が創造性を殺すとき
 
・内向型は単独作業の方が集中力も創造性が高まる。
オープンオフィスブレインストーミング神話の崩壊(電子機器を通じたブレストは別。そこでは一人一人は単独作業をしていることになるから)
・ブレストが上手く行かない理由
  1. 社会的手抜き
  2. 生産妨害(発言できるのは一度に一人)
  3. 評価懸念
3について→たとえ人の意見に反論しない、みたいなルール作っても、評価されることに対する恐れはかなり根強いものだから意味ない。
しかも集団のプレッシャーは、間違ってるって分かってもそれを選ぶってもんじゃなくて、そもそも認知を歪める。
・一方、多様性も捨てたもんじゃない→その場合は、十分なパーソナルスペースを確保する必要がある。
 
パート2 持って生まれた性質は、あなたの本性か?
 
●第4章 性格は運命付けられているのか?
 
高反応→内向型
低反応→外向型
遺伝の影響割と大きい。あとは環境。
気質の上に性格が成り立ってるってよりは気質と性格が影響しあってるって考えた方がいい。
 
●第5章 気質を超えて
 
・スイートスポット(自分が居心地がいいと感じる環境)をみつける(仕事でも趣味でも)
・脱感作(恐怖の原因となるものに少しずつ自分をさらす)
 
●第6章 フランクリンは政治家、エレノアは良心の人
 
・内向型とHSP(Highly Sensitive Person)の外延は概ね一致
HSPの特徴
行動する前に観察
見聞きすることや、におい、痛み、コーヒーなどによる刺激に敏感
職場や発表会で他人に観察されたり、デートや就職面接で評価されたりするのが苦手
物質的・享楽主義的であるよりも哲学的・精神主義的な傾向がある
無駄話が好きではない(「もし、あなたが他人よりも複雑に物事を考えていたら、天気の話や休暇の旅の話は、道徳の価値について話すよりもおもしろくないでしょう」(p.175)(無駄話は会話の最後に持ってくる傾向があるらしい。関係あるのか分からないけど哲学の勉強会でもそうだな)
自分をクリエイティブあるいは直観的と表現する
非常に詳細な夢を見て、翌朝夢の内容を思い出せる
音楽や自然や天然の美を愛する
激しい喜びや悲しみ、憂鬱、恐れなど、きわめて強い感情を抱く
強く感情移入する
・赤面してる表情→相手から好意的に判断される傾向がある
 
●第7章 ウォール街が大損し、バフェットがもうかったわけ
 
・外向型は報酬を求め、内向型は慎重になる
・外向型は多くの情報を処理する能力に長けているが、内向型は一つの事柄を熟考する傾向がある
・フロー
 
パート3 すべての文化が外向型を理想としているのか?
 
 
西洋→外向型が多い、東洋→内向型が多い
外向型社会に生きる、アジア系アメリカ人の例→大学へ行くと自分の内向型の気質に自信が持てなくなる。
ただ、内向型には物静かな粘り強さがある。これは、ガンジーの「抑制」の態度にもあらわれている。
・「サチャグラハ(不服従)」→「断固として真実を求める」
 
パート4 愛すること、働くこと
 
●第9章 外向的にふるまったほうがいいとき
 
・「人間-状況」論争→固定した性格特性は存在するのか、その場の状況次第で変わるのか
・リトル「自由特性理論」人間と状況の中間。固定的なパーソナリティを持ちながらも社会的状況に応じて違う特性の人間として振舞うことができる。
・セルフモニタリング度→どれだけ違う自分を演じられるか
・違う自分を演じることは莫大なエネルギーがいる→適度に本来の自分でいられるような場所や時間を確保しておくべき。
 
●第10章 コミュニケーション・ギャップ
 
・「親密欲求」は内向型、外向型の両方にある。ただ、形は異なる。いってみれば狭く深くか広く浅くか。
・内向型は協調的であることを好み、外向型は好戦的であることを好む。そしてそれらの特性をもつ人を高く評価する。
・「カタルシス仮説」は神話
・内向型は大人数の社交の場などで同時に多くの情報を処理するのが苦手。だから口数が減る。
・内向型はまじめな話題を好み、外向型は軽い話題を好む。だが、両者が互いの会話を楽しめないわけではない。(内向型セールスマンの例)相手の話に真剣に耳を傾けることが大事。
 
●第11章 内向型の特性を磨く方法
 
子供に特定の価値観を押し付けない。
子供の気質を尊重する。
ダン・マクアダムズ→人は自分の人生を起承転結のような形式で語る。過去の挫折経験、現在幸福でない人は否定的に語り、前向きに生きてる人は肯定的に語る傾向がある。
 
●終章 不思議の国
 
締めくくり
 

「ソマティック・マーカー仮説について -アイオワ・ギャンブル課題の解釈をめぐる問題-」

西堤優(2010), ソマティック・マーカー仮説について-アイオワ・ギャンブル課題の解釈をめぐる問題-, 科学哲学 43(1), 31-44.

A. R. Damasioの「ソマティック・マーカー仮説」に関する論文。

根拠になってる実験の概要→それに反論を加えた論文→いくつかの問題提起

用語

・SMH (the Somatic Marker Hypothesis)→ソマティック・マーカー仮説

・VMPFC (ventromedial prefrontal cortex)→前頭前野腹内側部

・SCRs (skin-conductance responses)→皮膚電動反応(汗の分泌量によって影響を受ける皮膚の電気伝導率の変化

ソマティック・マーカー仮説

意思決定の際に、熟慮に基づく自覚的な選択に先立ち、無自覚のレベルで選択がすでに開始されており、情動がその選択にバイアスをかけている*1

身体状態の変化が、意思決定の無自覚レベルにおいて予測因子の働きをする。

アイオワ・ギャンブル課題

目的:熟慮に先立ち、長期的な利害に基づく選択がなされるかを観察する

デザイン:被験者は、A,B,C,Dの4つの組のカードから自由にカードをめくってよい。カードにはプラスマイナスの金額が書かれており、被験者は利益を最大化することを求められる。A,Bはハイリスクハイリターン、C,Dはローリスクローリターンで長期的にはA,Bがマイナス、C,Dがプラスになるようになっている。なお、被験者は何枚までカードをめくってよいかは知らされていない。

結果:健常者は途中から一貫してC,Dのカードをめくるようになったが、VMPFC損傷患者はA,Bのカードをめくり続けた。そこでみられた違いは予期的なSCRsがみられるか否かということだった。なお、健常者においては「概念期(意識的に利害を判別できる段階)」に到達する前にC,Dのカードをめくるようになっていた。

Damasioの考察:無意識の段階で情動によってバイアスがかけられている。

Colombettiの批判

ColombettiはSMHをSHM-GとSMH-Sに分けた。前者は、短期長期問わず任意の利害を反映し、選好の順位付けが行われるとするもので、後者は、情動は長期的な利害のみを反映するとする。そして、ギャンブル課題によってはそれらはいずれも裏付けられないとする。

Damasioの解釈において問題なのは、

①情動が選好に影響しているにもかかわらず、情動の欠落したVMPFC損傷患者はむしろ長期的に不利なカードの組を多く選んでいること。

②Tombらはギャンブル課題の長期的な有利不利を逆転させて実験を行ったが、それでもなおVMPFC損傷患者はハイリスクハイリターンのカードの組を多く選んだ(SCRsは有利なカードの組を選ぶ直前に検出された)。よって、情動は目先の利益を反映するという解釈もできる。(著者は情動が長期的利益を反映している可能性が排除されたわけではないって言ってるけど、どういうことか分からなかった。というのも、SCRsの出現タイミングはTombらの実験でも変動していない→長期的な利益に連動してないって考えられそうだから)

著者の意見

予期的な情動が欠如しているVMPFC損傷患者にもわずかながらであれ選好が生じていることはどう説明するか。

1. ポジティブな情動による説明

VMPFC損傷患者は予期される罰に対するネガティブな情動は欠けているが、予期される報酬に対するポジティブな情動はもってるだからA,Bを選好する傾向がみられる→SCRsで検出されないポジティブな情動が必要になる→現実的でない

2. 目先の報酬への傾向性

バイアスの要因が情動ではなく、目先の報酬を求める人間の本性的な傾向性だとする。

それを支える神経回路の発見が必要だが現在のところ見つかってない。

この説が正しければ、VMPFC損傷患者の選好は情動によるものではないことになり、SMHは部分的に否定される。(部分的って書いてあったけど部分的なのかな、健常者におけるSCRs(情動)と選好の関係は別で認めるってことか。難しい)

3. 事前のSCRsと事後のSCRs

予期的SCRsは事後のSCRs(偏桃体によって形成される)と事前のSCRs(VMPFCによって形成される)からなる。つまり、VMPFC損傷患者は事後のSCRsの影響のみを受ける。これによって、VMPFC損傷患者がA,Bのカードを引いた後にしばらくA,Bのカードを引かなくなることが説明される。残存するSCRsが消失すると再びA,Bのカードを引き始める。

情動と意思決定と行為の関係

Damasioの解釈では、VMPFC損傷患者では長期的な利害に基づく選択に関わるとされる予期的なSCRsが検出されないため、そのような選択がなされないことになる。だが、ギャンブル実験ではVMPFC損傷患者も概念期に到達する。つまり長期的な見通しを持ちながらも不利な選択をしていまうということになる。

Damasioによっては明示されない2つの可能性

①VMPFC損傷患者は情動の欠如ゆえに、長期的な利害の考慮を意思決定のプロセスに反映させることができない。つまり、長期的な考慮が理論的なものにとどまり、実践のレベルに反映されない。

②長期的な利害の考慮は意思決定には反映されるが、情動の欠如のためその意思決定を行為に移すことができない。(「執行のプロセス」に情動が必要となる)

後者が正しければSMHは瓦解する。これらのいずれが正しいかを検証するには心理学や脳科学などの経験的な探求が必要。

*1:「情動」は、ある状況に直面したときに自動的に生じる身体状態の変化と脳に伝えられるその変化した状態の情報をあわせたもの。「バイアス」は心理学や脳科学においては、必ずしも合理的な意思決定をゆがめる働きを意味するのではなく、たんに意思決定において何らかの影響を及ぼす働きを意味する